高配当株決算短信分析 PR

5451 淀川製鋼所 2025.3Q

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記載した内容は決算短信発表時点のものであり、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資する際は自己判断でお願いいたします。

企業概要

株式会社淀川製鋼所(Yodoko)は、日本国内外で鋼板製品を中心とする製造・販売を行う企業です。鋼板業務、建材業務、ロール事業、グレーチング事業、不動産事業、その他の事業を展開しており、特に高付加価値の塗装鋼板が強みとなっています。

2025年3月期 第3四半期(2024年4月1日~12月31日)決算概要

① 連結経営成績(前年同期比)

売上高:1,567億42百万円(+2.1%)
営業利益:111億14百万円(+24.3%)
経常利益:173億38百万円(+45.1%)
親会社株主に帰属する四半期純利益:113億3百万円(+45.8%)

増収・増益の要因として、日本国内では高付加価値製品(塗装鋼板など)の販売が寄与。一方、台湾子会社(SYSCO)の販売増があったが、台湾国内の鉄鋼市況が軟化した影響で利益は減少。

② 連結財政状態(前期末比)

総資産:2,619億69百万円(▲38億93百万円)
純資産:2,132億36百万円(▲5億95百万円)
自己資本比率:72.2%(前期末 71.3%)

総資産は前期末比で若干減少したものの、自己資本比率は改善。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益が増加し、利益剰余金が増加した一方で、配当支払い等により一部減少したため。

③ 配当状況

中間配当:100円(前年55円から大幅増)
期末配当(予想):233円(前年145円)
年間配当(予想):333円(前年200円)

配当は前年から大幅増加。業績好調を背景に株主還元強化の姿勢がうかがえる。

セグメント別業績(前年同期比)

① 鋼板関連事業

売上高:1,494億55百万円(増収)
営業利益:111億43百万円(増益)

日本では高付加価値の塗装鋼板の販売が好調で、増益を達成。
海外では台湾SYSCOが販売量を伸ばしたが、台湾国内の市況悪化により減益。
中国のYSS社は不動産不況の影響で回復鈍化、タイのPPT社は堅調ながら減収・増益。

② ロール事業

売上高:20億20百万円(減収)
営業損失:1百万円(前年49百万円の営業利益)

国内・輸出向け販売量が減少したため、赤字転落。

③ グレーチング事業

売上高:24億91百万円(減収)
営業利益:1億14百万円(減益)

販売価格は改善したものの、販売量が減少し、減収減益。

④ 不動産事業

売上高:10億32百万円(前年並み)
営業利益:6億26百万円(前年並み)

収益は安定して推移。

⑤ その他事業

売上高:17億42百万円(増収)
営業利益:4億16百万円(増益)

倉庫・運送事業の回復が業績を押し上げた。

2025年3月期 通期業績予想(前期比)

売上高:2,090億円(+2.5%)
営業利益:131億円(+9.0%)
経常利益:206億円(+35.5%)
親会社株主に帰属する当期純利益:128億円(+187.2%)
1株当たり純利益:442.83円(前年 154.22円)

業績予想は上方修正され、純利益は大幅増を見込む。海外市況の影響を受ける可能性はあるものの、高付加価値商品へのシフトや業務効率化により増益を目指す。

まとめ

売上・利益ともに増加。国内の高付加価値鋼板の販売増や、台湾SYSCOの売上増が貢献。
自己資本比率は72.2%に向上。財務基盤は引き続き健全。
配当は大幅増(年間333円の予想)。株主還元を強化。
通期業績は上方修正。高付加価値戦略とコスト管理で増益基調を維持。

堅調な業績と積極的な株主還元が評価ポイント。海外市場の不安定さは懸念されるものの、高付加価値製品の販売強化や財務基盤の安定性が成長を支えている。