記載した内容は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資する際は自己判断でお願いいたします。
企業概要
株式会社マースグループホールディングスは、アミューズメント関連事業、スマートソリューション関連事業、ホテル・レストラン関連事業を展開する企業です。特に、パチンコ業界向けのシステム開発・販売に強みを持っており、新たな技術導入によるソリューションを提供しています。
2025年3月期第3四半期決算概要
当第3四半期(2024年4月1日~12月31日)の業績は以下の通り、前年同期比で増収増益となりました。
売上高:347億64百万円(前年同期比27.0%増)
営業利益:106億3百万円(同15.5%増)
経常利益:113億1百万円(同14.9%増)
親会社株主に帰属する四半期純利益:71億98百万円(同7.0%増)
この成長の背景には、主にアミューズメント関連事業における設備更新需要の増加や、新製品の導入が寄与しました。
セグメント別業績
アミューズメント関連事業
売上高:287億94百万円(前年同期比32.8%増)
セグメント利益:104億36百万円(同15.5%増)
パチンコ業界では遊技人口の減少や設備投資の負担が増加する中、新紙幣対応の設備更新が進み、スロット市場ではスマートパチスロの導入が好調に推移。また、マースグループの新製品『EVOALLシリーズ』が市場に投入され、今後の売上拡大が期待されます。
スマートソリューション関連事業
売上高:39億94百万円(前年同期比0.3%減)
セグメント利益:3億42百万円(同0.2%減)
AI・IoT技術を活用したソリューション提供を進めるものの、市場の成長鈍化により売上はほぼ横ばい。新製品「VisAI(ビズアイ)」シリーズの拡販が期待されます。
ホテル・レストラン関連事業
売上高:19億76百万円(前年同期比17.3%増)
セグメント利益:92百万円(前年同期は33百万円の赤字)
国内観光需要の回復とインバウンド需要の拡大が追い風となり、業績が回復。特に「マースガーデンホテル博多」などのホスピタリティ向上施策が奏功しました。
財務状況
総資産:862億55百万円(前年同期比22億98百万円増)
純資産:768億7百万円(同55億53百万円増)
自己資本比率:89.0%(前年同期比4.1ポイント増)
キャッシュ・フローの面では、営業活動によるキャッシュ・フローが70億32百万円の収入(前年同期42億27百万円)。投資活動では固定資産取得や投資有価証券の取得が続くも、全体として現金及び現金同等物の増加に寄与しました。
配当の状況
2025年3月期の配当予想は 195.00円(前年より45円増加)
第2四半期末の配当は 120.00円(前年の2倍)
期末配当は 75.00円を予定
この増配の背景として、堅調な業績推移と財務の安定性が挙げられます。
また、直近で公表されている配当予想からの修正はなし となっています。
今後の見通し
通期業績予想は変更なし。
売上高:418億円(前年同期比14.3%増)
営業利益:122億円(同4.3%増)
経常利益:131億円(同4.8%増)
親会社株主に帰属する当期純利益:82億円(同4.5%減)
今後は、アミューズメント業界の変化への対応、スマートソリューション関連事業の成長戦略強化、ホテル・レストラン事業の更なる収益向上を目指す方針です。
まとめ
マースグループホールディングスは、アミューズメント業界の市場環境が厳しい中でも設備更新需要を捉え、業績を伸ばしました。スマートソリューション関連事業の伸び悩みはあるものの、AI・IoTの活用による新たな価値創出が期待されます。ホテル・レストラン事業は観光需要回復により改善傾向。全体として堅実な財務基盤を維持しつつ、今後の成長戦略に注力する姿勢が見られます。