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9101 日本郵船 2025.3Q

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記載した内容は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資する際は自己判断でお願いいたします。

企業概要

日本郵船株式会社(コード番号:9101)は、海運業を中心に展開する大手企業であり、定期船、物流、航空運送、自動車輸送、ドライバルク、エネルギー輸送などの多角的な事業を展開しています。

2025年3月期 第3四半期決算(2024年4月1日~12月31日)

主要財務指標(前年同期比増減率)

売上高:1兆9,769億円(+10.5%)
営業利益:1,781億円(+23.5%)
経常利益:4,364億円(+117.9%)
親会社株主に帰属する四半期純利益:3,954億円(+157.5%)
1株当たり利益
1株当たり四半期純利益:878.46円(前年同期比 +568.57円)

セグメント別業績(前年同期比増減率)

<定期船事業>

売上高:1,370億円(-10.4%)
経常利益:2,502億円(+2,048億円)
コンテナ船の荷動きは堅調で、紅海情勢や港湾混雑が影響し、市況は前年同期を上回る
持分法適用会社「ONE社」の利益貢献が大きく、セグメント全体では増益

<航空運送事業>

売上高:1,420億円(+15.8%)
経常利益:190億円(+138億円)
Eコマース需要や半導体関連貨物の好調により貨物取扱量が増加
運賃単価も高い水準を維持し、増収増益

<物流事業>

売上高:6,144億円(+18.1%)
経常利益:207億円(-3億円)
航空貨物・海上貨物の取扱量が増加したが、物流コスト増加が影響し減益

<自動車事業>

売上高:4,057億円(+8.3%)
経常利益:916億円(+36億円)
中東情勢の影響を受けつつも、輸送需要は堅調

<ドライバルク事業>

売上高:4,756億円(+12.3%)
経常利益:218億円(+55億円)
ケープサイズやパナマックスサイズの市況が上昇し、増収増益

<エネルギー事業>

売上高:1,349億円(+5.2%)
経常利益:323億円(-7億円)
VLCC(大型原油タンカー)やLNG船の契約は安定しているが、一部市況が軟調

<その他事業>

売上高:1,538億円(-7.1%)
経常利益:70億円(+62億円)
クルーズ事業が回復し、増益

財務状況

総資産:4兆4,309億円(前年同期比 +1,761億円)
純資産:2兆9,650億円(前年同期比 +1,056億円)
自己資本比率:65.9%(前年同期比 +3.6ポイント)

配当状況

中間配当:1株あたり130円
期末配当予想:1株あたり180円(年間合計310円に修正)

2025年3月期 通期業績予想(前年同期比増減率)

売上高:2兆5,800億円(+8.1%)
営業利益:2,100億円(+20.2%)
経常利益:4,800億円(+83.7%)
親会社株主に帰属する当期純利益:4,500億円(+96.8%)
1株当たり当期純利益:1,005.81円
<業績予想の前提>
為替レート(通期):152.71円/USD
燃料油価格(通期):607.92USD/MT

まとめ

業績好調の要因

定期船事業(コンテナ船)の市況改善と「ONE社」の利益寄与
航空貨物・海上貨物の需要増加
ドライバルク市況の回復
自動車輸送の堅調な需要

リスク要因

燃料価格の変動
為替レートの影響
一部市況(VLCCなど)の軟化

ポイント

通期利益予想を上方修正
配当予想を引き上げ(年間310円)
自己株式取得を継続(取得額上限1,300億円)
日本郵船は引き続き堅調な業績を維持しており、株主還元も積極的に進めている。