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7239 タチエス 2025.3Q

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記載した内容は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資する際は自己判断でお願いいたします。

企業概要

タチエスは、自動車業界向けのシートシステムの専門メーカーとして、世界的な自動車メーカー(トヨタ、ホンダ、日産など)と取引を行っており、自動車シートの設計・開発から生産・供給までを一貫して行い、軽量化や快適性、安全性を重視した製品を提供することを強みとしている。

また、電動化の進展に伴い、電気自動車(EV)向けの軽量シートの開発や、カーボンニュートラルに対応した素材の採用にも取り組んでいる。

2025年3月期 第3四半期決算(2024年4月1日~2024年12月31日)

連結業績(前年同期比の増減率は%表示)

売上高:2,181億5,300万円(+0.8%)
営業利益:50億2,200万円(+33.0%)
経常利益:55億5,100万円(+20.4%)
親会社株主に帰属する四半期純利益:51億3,800万円(+78.9%)
包括利益:40億9,300万円(-54.7%)
1株当たり四半期純利益:149.90円(前年同期:83.85円)

連結財政状態

総資産:1,662億6,700万円(前期末比 -145億3,900万円)
純資産:920億900万円(前期末比 -42億8,900万円)
自己資本比率:54.0%(前期末 49.7%)

セグメント別業績(売上高・営業利益は前年同期比)

<日本>

売上高:862億2,700万円(-8.3%)
営業利益:43億1,400万円(+53.5%)

<北米>

売上高:353億3,700万円(-16.5%)
営業損失:2億2,000万円(前年同期の損失12億8,600万円から改善)

<中南米>

売上高:788億9,300万円(+20.8%)
営業利益:10億1,000万円(-41.8%)

<欧州>

外部売上高なし(内部売上高のみ)
営業損失:6,100万円(前年同期は営業利益1億2,400万円)

<中国>

売上高:145億8,400万円(+15.8%)
営業損失:3億1,900万円(前年同期の営業利益2億7,600万円から悪化)

<東南アジア>

売上高:31億1,000万円(+50.2%)
営業利益:3億3,500万円(前年同期2,800万円から増加)

配当状況

2024年3月期(前年):年間92.80円(中間46.40円、期末46.40円)
2025年3月期(今期予想):年間103.80円(中間51.90円、期末51.90円)

配当方針

ROE(自己資本利益率)8%以上の達成を目標
DOE(株主資本配当率)4%の普通配当を維持

2025年3月期 通期業績予想

売上高:2,798億円(-4.5%)
営業利益:67億5,000万円(-6.3%)
経常利益:58億円(-33.8%)
親会社株主に帰属する当期純利益:75億円(+38.3%)
1株当たり当期純利益:218.78円

経営環境と今後の見通し

市場環境

<国内経済>

企業業績は堅調。
人手不足による生産性向上が課題。
2024年に続く賃上げが個人消費回復の鍵。

<自動車業界の動向>

BEV(電気自動車)シフトの減速により、各メーカーの事業状況に差が生じている。
企業ごとの生産・販売見通し、在庫状況を注視する必要がある。
人材投資と生産性向上が競争力の源泉となる。

財務状況

総資産が前期末より減少した要因:

・受取手形・売掛金の減少(-21.47億円)
・投資有価証券の売却(-56.74億円)
・関連会社出資金の減少(-22.24億円)

負債の減少要因:

・買掛金の減少(-55.41億円)
・流動負債の減少(-32.60億円)

純資産の減少要因:

・非支配株主持分の減少(-43.47億円)

まとめ

売上高は前年同期比で微増(+0.8%)。
営業利益・経常利益・純利益は大幅増加(+33.0%、+20.4%、+78.9%)。
通期業績予想では減益見通しも、配当は増額予定(103.80円)。
地域別では日本・北米・中南米・東南アジアが健闘、一方で欧州・中国が苦戦。
財務の健全性は改善傾向(自己資本比率54.0%)。
自動車業界の変化に対応し、競争力強化が課題。

タチエスは、従来の自動車シート市場だけでなく、新しいモビリティの潮流に適応することで、持続的な成長を目指している。環境対応や電動化、海外展開などの戦略が今後の業績に大きく影響を与えるポイントとなる。(決算短信発表時点の情報による)